腫れやしこりが「がん」ではないこともあります

IgG4関連疾患は、免疫の異常によって全身のさまざまな臓器が腫れたり硬くなったりする病気です。腫瘤(しこり)をつくるため悪性腫瘍と間違われやすい病気ですが、がんではなく、ステロイド治療によく反応します。
こんな症状、心当たりはありませんか?
- まぶたの周りやあごの下が、痛みなく左右対称に腫れてきた
- 目や口の乾きを感じる
- 白目や皮膚が黄色くなった(黄疸)
- 腹痛がある、糖尿病が急に悪くなった
- 健診で腎機能の低下や臓器の腫れを指摘された
- 咳や息切れが続く、リンパ節が腫れている
「ひとつでも当てはまる」と感じたら、早めにご相談ください。
IgG4関連疾患とは
血液中のIgG4という抗体の値が高くなり、IgG4をつくる細胞が臓器に集まって、腫れや線維化(硬くなること)を起こす病気です。中高年に発症し、男女いずれにもみられます。
症状は病変ができる臓器によって異なります。涙腺・唾液腺が腫れる場合(ミクリッツ病)、膵臓が侵されて黄疸や糖尿病の悪化が起こる場合、腎臓・肺・リンパ節に病変ができる場合などさまざまです。
腫瘤ができるため悪性腫瘍を疑われることがありますが、これは免疫の細胞が集まったものであり、がんではありません。
診断 ─ 当院での進め方
臓器の腫れやしこりを確認したうえで、血液検査でIgG4の値が高いことを確かめます。
確定診断には、可能であれば病変部の組織検査を行い、IgG4をつくる細胞の集まりと線維化を確認します。悪性腫瘍や他の炎症性の病気との見分けが特に重要なため、必要に応じて提携医療機関と連携して検査を進めます。
治療
第一選択はステロイドの内服です。多くの場合、治療によって腫れが引き、低下していた臓器の機能も改善します。症状の改善に合わせて徐々に減量していきます。
再燃する場合はステロイドを増量したり、免疫抑制剤や生物学的製剤(アザチオプリン、リツキシマブ、近年保険適応となったイネビリズマブなど)を併用します。腫れが落ち着いた後も、再燃に注意しながら一定期間は経過をみていきます。
「腫れているががんではないと言われた」「原因がはっきりしない臓器の腫れがある」という方は、この病気の可能性も含めて調べることができます。

