高齢の方の突然の膝の腫れ、痛風ではないことも

偽痛風は、カルシウムの結晶が関節にたまって炎症を起こす病気です。痛風とよく似た激しい関節炎を起こしますが、尿酸は正常で、原因も治療の考え方も異なります。発作は通常1〜2週間で治まり、痛みを和らげる治療が有効です。
- 高齢で、膝が急に腫れて激しく痛む
- 肩・足首・手首が突然腫れて熱を持った
- 熱を伴っている
- 首が痛くて動かせない、頭痛と熱がある
- 尿酸値は正常と言われたのに痛風のような症状が出た
「ひとつでも当てはまる」と感じたら、早めにご相談ください。
偽痛風とは
ピロリン酸カルシウムという結晶が関節にたまり、炎症を起こす病気です。「痛風に似て非なるもの」という意味でこの名前がついています。高齢の方に多く、膝に起こることが最も多いです。
痛風は比較的若い男性の足の親指に起こりやすいのに対し、偽痛風は高齢の方の膝などの大きな関節に起こる点が違いです。
首に起こる場合は「クラウンド・デンス症候群」と呼ばれ、頭痛と発熱を伴うため髄膜炎と間違われることがあります。
診断 ─ 当院での進め方
高齢の方の急な大関節の腫れであれば、この病気を疑います。レントゲンで関節軟骨に線状の石灰化がみられれば、強く示唆されます。石灰化はエコー検査でも確認できます。
確定診断は関節の液を採取して顕微鏡でCPPD結晶を確認することです。発作時には細菌による化膿性関節炎との見分けが特に重要なため、必要に応じて細菌検査も行います。
治療
発作は通常1〜2週間で自然に落ち着きます。痛みを和らげるため、NSAIDs(消炎鎮痛剤)を用いることが多く、コルヒチンやステロイドも有効です。
関節にたまった液を抜いてステロイドを関節内に注射すると、炎症が速やかにおさまることがあります。
痛風とは異なり代謝の病気ではないため、食事制限は必要ありません。ただし脱水や低マグネシウム血症、利尿剤の使用が発作の引き金になるため、可能な範囲で調整します。マグネシウムの補充として、「にがり」を摂取することも有効です。発作が落ち着いたら、関節の動きを保つためにリハビリを再開します。
高齢で、「痛風と言われたが尿酸値は正常だった」という方は、偽痛風の可能性があります。関節の急な腫れは、化膿性関節炎との見分けも必要ですので、早めにご相談ください。

