検査で異常が出なくても、痛みは本当にあります

線維筋痛症は、全身に慢性的な痛みとこわばりが生じる病気です。検査では異常が見つからないため周囲に理解されにくく、つらい思いをされている方が多い病気です。完全に治す治療法はまだありませんが、痛みを和らげ、生活の質を上げていく方法はあります。
こんな症状、心当たりはありませんか?
- 体のあちこちが3か月以上にわたって強く痛む
- 痛む場所や強さが日によって変わる
- 朝起きたときに全身がこわばっている
- 強い疲労感が抜けない
- 眠りが浅い、疲れがとれない
- 検査では「異常なし」と言われ続けている
「ひとつでも当てはまる」と感じたら、早めにご相談ください。
線維筋痛症とは
全身の筋肉や関節に慢性的な痛みが続く病気です。関節リウマチのような自己免疫の異常や関節の破壊は起こらず、痛みを感じる仕組みそのものに変化が生じていると考えられています。
中高年の女性に多くみられますが、男女問わず発症します。痛みのために日常生活に支障が出やすく、不安感や抑うつ、不眠を伴う方も少なくありません。
見た目ではわからないため周囲の理解を得にくいことが、患者さんの大きな負担になります。当院はその点も含めて向き合います。
診断 ─ 当院での進め方
他の病気では説明できない広い範囲の痛みが3か月以上続く場合に、この病気を考えます。まず関節リウマチや膠原病、筋肉の病気などを除外するため、血液検査や画像検査を行います。
体の特定の部位を押すと強く痛む圧痛点の確認も、診断の参考になります。あわせて、痛みの原因が筋膜(筋肉を包む膜)にある筋膜性疼痛症候群が重なっていないかも触診とエコーで確認します。この二つは併存することが多く、見分けることで治療の幅が広がります。
治療
痛みと付き合いながら生活の質を上げることを目標にします。薬物療法では、プレガバリンやデュロキセチンなど神経の働きを調整する薬、必要に応じて痛み止めを用います。睡眠の質を改善する薬や、不安・抑うつに対する薬が有効な場合もあります。
リハビリや運動療法は非常に大切です。ストレッチや軽い有酸素運動を無理のない範囲で続けることが、症状の改善につながります。
筋膜性疼痛など別の痛みの原因が重なっている場合には、その治療(ハイドロリリースやリハビリ)を行うことで痛みが目に見えて軽くなることがあります。心理的ストレスの軽減も症状の緩和に役立ちます。
「気のせい」「異常なし」と言われ続けてきた方も、どうぞご相談ください。痛みの原因を一つずつ整理していくことで、できることが見つかります。

