腎臓は「静かに」悪くなります。早期の管理が将来を守ります

慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の働きが慢性的に低下していく状態です。かなり進むまで症状が出ないため、健診での指摘が唯一のきっかけになることも多い病気です。早い段階から管理を始めることで、透析を避け、心臓や脳の病気も予防することができます。
こんな症状、心当たりはありませんか?
- 健診で尿にタンパクが出ていると言われた
- 健診で血尿を指摘された
- クレアチニンやeGFRの値が悪いと言われた
- 足やまぶたがむくむ
- 血圧が高い
- 糖尿病や高血圧の治療を受けている
- だるさや貧血がある
「ひとつでも当てはまる」と感じたら、早めにご相談ください。
慢性腎臓病とは
腎臓の働きの低下や腎臓の障害が3か月以上続く状態を指します。日本では成人の7〜8人に1人が該当するとされる、とても身近な病気です。
原因として多いのは糖尿病と高血圧ですが、膠原病による腎炎(ループス腎炎、血管炎に伴う腎炎など)や、薬の影響で起こることもあります。
初期から中等度まではほとんど症状がありません。進行して尿毒症の状態になると、むくみ、貧血、だるさ、吐き気などが現れます。そこまで進む前に治療することが重要です。また腎臓が悪くなると、心筋梗塞や脳卒中のリスクも高まります。
診断 ─ 当院での進め方
血液検査でクレアチニンから計算されるeGFR(腎臓の働きの指標)を確認し、尿検査でタンパク尿や血尿の有無を調べます。これらの異常が3か月以上続く場合にCKDと診断します。
原因を調べるために腎臓の超音波検査や詳しい尿検査を行い、必要に応じて腎生検(腎臓の組織検査)を提携医療機関と連携して検討します。膠原病が背景にある場合は、自己抗体の検査も併せて行います。
治療
CKDそのものを完全に治すことは難しいものの、進行を抑え、合併症を防ぐことは十分に可能です。最も重要なのは原因への対策で、糖尿病があれば血糖を、高血圧があれば血圧をしっかりコントロールします。
目標血圧は糖尿病がある場合130/80mmHg未満、それ以外では140/90mmHg未満とされ、腎臓を保護する効果のあるACE阻害薬やARBがよく使われます。近年はSGLT2阻害薬も慢性腎臓病に使えるようになり、腎機能を守る選択肢が増えています。
食事では減塩(1日6g以下)が基本です。タンパク質の制限については、筋力低下などのデメリットもあるため、近年は強く制限しない方針が主流となっています。腎臓に負担となる薬の調整も重要で、痛み止めの使い方も含めてご相談しながら決めていきます。
院長は日本腎臓学会の腎臓専門医です。膠原病による腎障害、薬の影響、生活習慣病による腎機能低下まで、あわせてご相談いただけます。健診で腎機能を指摘された方は、どうぞお早めに。

