
関節リウマチの治療を始めた方、またはこれから始める方のなかには、「いつまで治療を続ければ症状が落ち着くの?」「治れば薬を飲まなくてもよくなる?」と疑問に感じる方もいるでしょう。
関節の痛みや腫れがほとんどなくなるまでの期間は患者さんによって異なり、「治療開始から○か月で必ず寛解する」と一律に決めることはできません。
この記事では、関節リウマチの寛解までの期間や個人差が生じる理由、寛解の判定基準、その後の通院や服薬について解説します。
目次
関節リウマチの「寛解(かんかい)」
関節リウマチの寛解とは、関節の痛みや腫れがほとんどなく、病気の活動性が十分に抑えられている状態のことを指します。
一方、病気そのものが治り、治療を行わなくても再発する心配がない「完治」とは異なり、寛解していても病気そのものがなくなったわけではありません。
症状が落ち着いていても、再び炎症が強くなる「再燃」が起こる可能性があります。
寛解を3つの観点から考える
| 種類 | 状態 |
| 臨床的寛解 | 関節の痛みや腫れなど、炎症による症状や病気の活動性がほとんどみられない状態 |
| 構造的寛解 | 関節や骨の損傷がほとんど進行していない状態 |
| 機能的寛解 | 日常生活での動作にほとんど支障がない状態 |
臨床的寛解・構造的寛解・機能的寛解の3つすべてを達成した状態を「完全寛解」といいます。
関節リウマチが寛解するまでの期間はどれくらい?

関節リウマチが寛解するまでの期間には個人差がありますが、治療開始から半年ほどで寛解に達する方も一定数います。
ただし、これは「関節リウマチなら半年で必ず寛解する」という意味ではありません。
寛解までの期間に個人差が生じる理由
寛解までの期間は、治療を始めた時点での病気の活動性や発症から治療開始までの期間、薬への反応、合併症などによって異なります。
そのため、半年程度で寛解に達する方もいれば、1年以上かけて治療を調整する方もいます。
また、病歴が長い方や、すでに関節の損傷が進んでいる方などでは、臨床的寛解の達成が難しいケースがあります。
その場合には、病気の勢いを低く抑えた「低疾患活動性」を当面の治療目標とすることもあります。
治療の目標期間(T2T)
現在の関節リウマチ治療では、Treat to Target(T2T)という治療アプローチを行います。
前述したような個人差を踏まえながら、T2Tでは治療開始後3か月で十分な改善がみられるかを確認し、原則として6か月以内に臨床的寛解または低疾患活動性へ到達することを目標に治療を調整します。
治療開始から寛解までの大まかな流れは、次のようになります。
| 時期の目安 | 治療の考え方 |
| 治療開始 | 抗リウマチ薬などによる治療を開始する |
| 約1~3か月 | 薬の効果や副作用、病気の活動性を確認する |
| 約3か月 | 十分な改善がみられない場合は治療内容を見直す |
| 6か月以内 | 臨床的寛解または低疾患活動性の達成を目指す |
| 寛解達成後 | 寛解を維持できているか定期的に確認する |
関節リウマチの治療薬は、種類によっては十分な効果が現れるまで1~3か月程度かかることがあります。
そのため、薬を飲み始めて数週間で症状が完全になくならなくても、すぐに「治療が効いていない」と判断するわけではありません。
一方、治療開始から3か月程度たっても十分な改善がみられない場合や、6か月程度で治療目標に達していない場合には、薬の増量や変更、生物学的製剤・JAK阻害薬などの追加を検討することがあります。
寛解まで通院や服薬は必要?
関節リウマチの治療中は、症状が軽くなってきた後も定期的な通院が必要です。
診察では、関節の痛みや腫れだけでなく、血液検査などによって炎症の程度や薬の副作用を確認します。
また、症状がなくなったからといって自己判断で抗リウマチ薬を減らしたり中止したりすると、再び炎症が強くなる可能性があります。
まずは寛解を達成し、その状態を安定して維持することが治療の目標になります。
関節リウマチの寛解はどのように判定する?
関節リウマチの寛解は、「今日は痛くない」といった自覚症状だけで判断するものではなく、関節の痛みや腫れの数、血液検査による炎症反応、患者さん自身が感じる体調などを組み合わせて、医師が病気の活動性を評価します。
医師が治療効果や病気の状態を客観的に確認するための代表的な評価方法には、「SDAI」「CDAI」「DAS28」などがあります。
寛解した後はどのように生活する?
「寛解したら治療は終わり」と考える方もいるかもしれませんが、寛解後もその状態を維持することが大切です。
寛解しても定期的に通院する

寛解すると関節の痛みや腫れがほとんどなくなり、日常生活を送りやすくなります。
一方、症状がなくても病気が再び活発になる可能性があるため、定期的に通院して疾患活動性を確認します。
安定した状態が続けば、病気が活発な時期よりも通院間隔を延ばせる場合があります。
薬は自己判断で中止しない
寛解したからといって、すぐにすべての薬を中止できるとは限りません。
寛解状態が一定期間続いている場合には、病気の状態や使用している薬などを考慮しながら、医師が薬の量を減らしたり、投与間隔を延ばしたりすることを検討します。
一方、薬を減らしたり中止したりすると再燃する方もいるため、自己判断で服薬を変更することは避けましょう。
適度な運動と休息を心がける

寛解して関節の炎症が落ち着いている場合は、関節の動きや筋力を維持するために適度な運動を取り入れることも大切です。
このときに、疲れをためすぎたり、関節に強い負担をかけたりしないよう注意しましょう。
運動量について不安がある場合や、すでに関節の変形・動かしにくさがある場合は、医師や理学療法士へ相談してください。
再燃のサインに気を付ける
寛解後に、以前と同じような朝のこわばりや関節の腫れ、痛みが再び現れることがあります。
「少しくらいなら大丈夫」と長期間様子を見るのではなく、症状の変化に気づいた場合は早めに主治医へ相談しましょう。
寛解を目指して治療を続けることが大切です
関節リウマチの治療では、まず治療開始後3か月で十分な改善がみられるかを確認し、原則として6か月以内に臨床的寛解または低疾患活動性を目指します。
ただし、実際に寛解するまでの期間は、病気の活動性や治療を開始した時期、薬への反応、合併症などによって異なります。
また、寛解は「完治」と同じではありません。寛解した後も定期的な通院を続け、再燃がないか確認しながら治療を調整していくことが大切です。
寛解までの期間や治療について不安なこともご相談ください

関節リウマチの寛解までにかかる期間は一人ひとり異なります。
「治療を続けているのになかなか症状が落ち着かない」「このまま薬を飲み続けるの?」と不安に感じることもあるでしょう。
さいとう整形外科リウマチ科日進分院では、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医・指導医が、関節の症状や病気の活動性などを確認しながら、一人ひとりの患者さんに合わせた治療を一緒に考えていきます。
当院が大切にしているのは、痛みや病気のために「仕方がない」と諦めてしまわないことです。
寛解まで思ったより時間がかかっている方も、治療期間や薬について不安を抱えている方も、まずは現在のお悩みをお聞かせください。
