朝起きたときに指が曲げにくい、指の関節が腫れている、ペットボトルのふたを開けづらい。このような症状が続くと、「リウマチではないか」と不安になる方もいるでしょう。
指の腫れやこわばりは、関節リウマチの初期症状として現れることがありますが、ヘバーデン結節や腱鞘炎(けんしょうえん)などでもよく似た症状が起こります。
こうした疾患は、症状だけで自己判断することは難しいため、どの関節に、どのような症状が、どのくらい続いているかを確認し、必要に応じて医療機関で検査を受けることが大切です。

目次
関節リウマチの初期症状は指の腫れ・こわばり?
関節リウマチの初期症状として、主にこのような症状が現れることがあります。
関節リウマチの主な初期症状
・朝の指のこわばり
・関節の動かしにくさ
・指の付け根や第二関節の腫れ
・だるさ
・微熱
関節リウマチは、免疫の働きに異常が起こり、関節を包む滑膜(かつまく)に炎症が生じる病気です。炎症が続くと、痛みや腫れだけでなく、関節の動かしにくさや変形につながることがあります。
ただし、指の腫れ=リウマチとは限らず、初期は症状が軽かったり片側だけに現れることもあります。そのため、症状を総合的に見極めることが大切です。
朝に指がこわばり、動かしにくい
関節リウマチは、朝起きた直後に手指がこわばり、握りにくくなることがあります。
特に、このような違和感が現れることがあります。
・手袋をはめたような感覚がある
・指を何度か動かさないと曲げ伸ばししづらい
・朝はペットボトルのふたを開けにくい
また、朝のこわばりは、関節リウマチ以外の病気でも起こります。
こわばりを繰り返す、症状が2週間以上続く、腫れや痛みを伴う場合は、炎症性の関節疾患が隠れていないか確認するために受診を検討しましょう。
指の付け根や第二関節が腫れる

関節リウマチでは、指の付け根にある関節や、指先から数えて二つ目の第二関節(PIP関節)、手首などに炎症が起こりやすい傾向があります。
複数の関節がぷっくりと腫れたり、押すと痛んだりすることも特徴の一つです。関節の周囲が膨らんだように見え、指輪が入りにくくなったことで腫れに気づく方もいます。
なお、関節リウマチでは指先に近い第一関節(DIP関節)に症状が出ることは少なく、第一関節を中心に腫れや変形がある場合は、ヘバーデン結節など別の病気も考えられます。
だるさや微熱が現れることも
関節リウマチの初期には、関節症状だけでなく、だるさ、疲れやすさ、食欲低下、微熱など、症状が全身に現れることもあります。
風邪のような体調不良と指の腫れ・こわばりが続く場合は、関係がなさそうだからと思わず、診察時に医師へ伝えるようにしましょう。
関節リウマチと間違われやすい指の病気
ヘバーデン結節・ブシャール結節

ヘバーデン結節は指の第一関節、ブシャール結節は第二関節に生じる変形性関節症です。
関節が赤く腫れたり、硬いこぶのように盛り上がったりし、痛みや動かしにくさを伴います。進行すると指が変形することもあります。
関節リウマチは指の付け根や第二関節に症状が出やすいため、特に第二関節に腫れや痛みがある場合は、ブシャール結節との鑑別が重要です。
なお、指先に最も近い第一関節に症状が出ている場合は、ヘバーデン結節の可能性が高くなります。
ばね指・腱鞘炎
ばね指は、指の使い過ぎなどによって、指を曲げる腱と腱鞘の間に炎症が起こることで、指の付け根に痛みや腫れが出る病気です。
指が途中で引っ掛かって伸びない、曲がらないといった症状が特徴ですが、朝に指を動かしづらくなることもあるため、関節リウマチによるこわばりと混同される場合があります。
診察では、触診や超音波(エコー)検査で指を曲げる腱の状態を確認します。また、腱鞘の引っ掛かりや周囲の炎症の有無を調べて、関節リウマチや炎症性疾患などとの鑑別も行います。
CM関節症

CM関節症は、親指の付け根にある関節の軟骨が使い過ぎですり減り、痛みや腫れが起こる病気です。
ビンのふたを開ける、鍵を回す、物をつまむといった、親指に力が加わる動作で痛みが強くなりやすいため、関節リウマチや腱鞘炎と鑑別を行います。
乾癬性関節炎・痛風
乾癬性関節炎では、関節の痛みや腫れ、こわばり、腰痛を引き起こし、放置すれば関節の変形や脊椎・骨盤の動きが悪くなることがあります。
痛風は、突然、関節が赤く腫れて強く痛む発作が特徴です。足の親指に起こることが多いものの、手首などに症状が現れる場合もあります。
特に乾癬性関節炎が疑われる場合、採血をしても特徴的な結果が見られないため、関節エコー検査に対応しているリウマチ専門医を受診しましょう。
痛み・こわばりなどの初期症状が現れた時の受診目安
次のような症状がある場合は、「年齢や使いすぎのせい」と決めつけず、整形外科やリウマチ科へ相談しましょう。
受診の目安
・朝の指のこわばりを繰り返す
・指の付け根や第二関節が腫れている
・複数の関節に痛みや腫れがある
・症状が続き、家事や仕事に支障が出ている
・だるさや微熱などの全身症状を伴う
・家族に関節リウマチの方がいる
また、関節が急に赤く腫れて強く痛む場合や、発熱を伴う場合には、関節リウマチ以外の急性炎症も考えられます。できるだけ早く医療機関を受診してください。
受診前に、症状が始まった時期、朝のこわばりが続く時間、腫れている関節、症状の変化を記録しておくと、診断の手がかりになります。
腫れが日によって変わる場合は、写真を撮っておくのもよいでしょう。
日進分院の関節リウマチの診断と鑑別方法
関節リウマチは、初期段階では血液検査やレントゲンに明確な異常が出ないことも少なくありません。
そのため、さいとう整形外科リウマチ科 日進分院では、一つの検査結果だけで判断せず、診察や血液検査、画像検査を組み合わせて、症状の原因を総合的に確認します。
痛む場所だけでなく、全身の関節や腱を確認する

診察ではまず、いつから症状があるのか、朝のこわばりがどのくらい続くのか、どのような動作で痛むのかを詳しく伺います。
そのうえで、患者さんが痛みを感じている指だけでなく、手首や足の指を含めた関節を実際に見て触り、腫れ、熱感、押したときの痛み、動かせる範囲、変形の有無などを丁寧に診察します。
血液検査の数値だけでリウマチとは判断しない
血液検査では、炎症の程度を示すCRPや赤沈のほか、リウマトイド因子(RF)、抗CCP抗体などを確認します。
RFや抗CCP抗体は関節リウマチの診断に役立ちますが、陰性でも関節リウマチを発症していることがあり、反対に、検査値が陽性でも関節リウマチではない場合があります。
そのため、日進分院では血液検査の結果だけで診断せず、関節の腫れ方や症状の経過、画像検査の結果などと照らし合わせて判断します。
関節エコーで初期の炎症を詳しく調べる

関節リウマチが疑われる関節には、必要に応じて関節エコー検査を行います。
関節エコーでは、関節を包む滑膜の腫れや血流の増加、腱鞘の炎症などをリアルタイムで確認できます。レントゲン検査では骨や関節に明らかな変化が見られない初期段階でも、活動性のある滑膜炎を捉えられることがあります。
日進分院では、診察や血液検査だけでは判断が難しい場合にも関節エコーを活用し、早期診断や治療方針の検討につなげています。
レントゲンやMRIも組み合わせて総合的に診断する
レントゲン検査を行うことで、関節リウマチによる関節の変化だけでなく、変形性関節症などとの鑑別にも役立てます。
必要な場合には、提携医療機関で手のMRI検査を行うこともあります。MRIでは、レントゲンでは捉えにくい滑膜炎や骨の内部の変化を詳しく確認できます。
初期の関節リウマチは、一度の診察や検査だけでは診断が確定しないことも少なくありません。症状の変化を見ながら再度診察や検査を行い、経過を含めて慎重に判断する場合もあります。
指の症状が気になる方は、早めにご相談ください
指の腫れやこわばりは、関節リウマチの初期症状として現れることがありますが、変形性関節症や腱鞘炎などでも似た症状が起こります。
自己判断で様子を見続けるのではなく、症状が現れている場所や経過を、診察と検査で確かめることが大切です。
さいとう整形外科リウマチ科 日進分院では、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医が、問診・視診・触診、血液検査、関節エコーなどを組み合わせ、指の痛みや腫れの原因を総合的に判断します。
他院で検査を受けて「異常なし」と言われた場合でも、指の腫れや朝のこわばりが続いているときは、一人で悩まず整形外科やリウマチ科へご相談ください。
