「力が入らない」を年齢のせいにしないでください

皮膚筋炎・多発性筋炎は、筋肉に炎症が起こって力が入らなくなる病気です。皮膚筋炎では特有の発疹も現れます。適切な治療で筋力の回復が期待できる一方、肺の合併症には早い対応が必要な病気です。
こんな症状、心当たりはありませんか?
- 階段を上がる、椅子から立ち上がるのがつらい
- 腕を上げて髪を洗う・物を取る動作がしにくい
- 太ももや二の腕に力が入らない
- まぶたや手の指の関節に紫紅色の発疹が出る
- 手指の皮膚が荒れて、ひび割れる
- 空咳が出る、息切れがする
「ひとつでも当てはまる」と感じたら、早めにご相談ください。
皮膚筋炎・多発性筋炎とは
免疫の異常によって、体の中心に近い筋肉(太もも・上腕・首など)に炎症が起こり、筋力が低下する病気です。皮膚筋炎では、まぶたの紫紅色の発疹(ヘリオトロープ疹)や手指の関節の上の発疹(ゴットロン徴候)といった特徴的な皮膚症状がみられます。
関節痛や間質性肺炎(肺の炎症)を合併することがあり、なかには筋肉の症状がほとんどないまま肺の症状が急速に進むタイプもあります。早期の診断と治療が特に重要な病気です。
診断 ─ 当院での進め方
血液検査で筋肉由来の酵素(CK値など)の上昇と、病型を見分けるための自己抗体を調べます。自己抗体の種類は、肺の合併症の起こりやすさや治療方針を考えるうえで重要な手がかりになります。
必要に応じて筋電図検査や筋肉の組織検査、胸部CTを提携医療機関と連携して行い、総合的に診断します。
治療
治療の中心はステロイドです。通常は多めの量から開始し、筋肉の酵素が正常化するのを確認しながら徐々に減量していきます。
ステロイドの副作用を減らすために、免疫抑制剤(タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、メトトレキサートなど)を併せて使用します。間質性肺炎を合併している場合は、より強力な治療を早期から行います。
症状が落ち着いてきたら、無理のない範囲で早めにリハビリを始めます。筋力の回復には、薬と運動の両方が必要です。
「年齢のせいで力が落ちた」と思われていた方が、実は筋炎だったというケースもあります。動作のしにくさが数週間から数か月で進んでいる場合は、ぜひご相談ください。

