早く治療を始めることが、臓器を守ることにつながります

血管炎は、血管の壁に炎症が起こる病気の総称です。全身のさまざまな症状としてあらわれるため診断が難しい病気ですが、早期に治療を始めることで炎症を抑え、臓器の障害を防ぐことができます。
こんな症状、心当たりはありませんか?
- 原因のわからない発熱が続いている
- 体重が減ってきた、だるさが抜けない
- こめかみが痛む、頭痛が続く、見えにくさを感じる
- 腕がだるい、左右で血圧が違うと言われた
- 咳や息切れが続いている
- 尿に血が混じる、健診で尿の異常を指摘された
- 足やおしりに紫色の斑点(紫斑)が出る
- 手足がしびれる、力が入らない
「ひとつでも当てはまる」と感じたら、早めにご相談ください。
血管炎とは
血管の壁に炎症が起こり、血流が悪くなることでさまざまな臓器に症状があらわれる病気です。炎症が起こる血管の太さによって分類されます。
大動脈などの太い血管では高安病(高安動脈炎)や巨細胞性動脈炎、中くらいの太さの動脈では結節性多発動脈炎、細い血管ではANCA関連血管炎、IgA血管炎、皮膚血管炎などがあります。種類によって症状も治療も異なるため、どのタイプかを見分けることが治療の出発点になります。
巨細胞性動脈炎はリウマチ性多発筋痛症と合併することが多く、視力を守るために特に早い治療が必要です。
診断 ─ 当院での進め方
症状を詳しく伺いながら、血液検査で炎症反応(CRP・赤沈)の上昇を確認します。ANCA関連血管炎ではANCA(抗好中球細胞質抗体)を、腎臓の炎症の有無を調べるために尿検査も必ず行います。
太い血管の血管炎では、超音波検査やMRI・CTで血管の炎症を確認します。確定診断のために血管や皮膚、腎臓の組織検査が必要な場合は、提携医療機関と連携して行います。
治療
治療の中心はステロイドで炎症を抑えることです。重症の場合は入院して点滴でステロイドを開始することもあります。症状が落ち着いたら徐々に減量していきます。
ANCA関連血管炎や重症の血管炎では、ステロイドに加えて免疫抑制剤(リツキシマブ、シクロホスファミド、メトトレキサートなど)を併用します。巨細胞性動脈炎には生物学的製剤(トシリズマブ)やJAK阻害薬も使われるようになりました。
治療中は感染症に注意しながら、定期的な血液検査で炎症の状態を確認していきます。
原因のわからない熱や体重減少が続いている方、健診で尿の異常を指摘された方は、血管炎の可能性も含めて調べることができます。どうぞご相談ください。

